【滑液包・ベーカー嚢腫】
こんにちは。毎日寒いですね・・・
院長の橋本です。
今日は下肢静脈瘤の診療をしているときにたびたび見受けられる膝裏のぷっくりと膨れた “ベーカー嚢腫” のお話です。
ベーカー嚢腫とは

上の写真のような、膝の裏にぷっくりとしたふくらみがあり、「静脈瘤かもしれない!」と受診される方がいらっしゃいます。
これは静脈瘤ではなく、ベーカー嚢腫というものでした。

膝は体重を支えたり、曲げ伸ばしに伴い負担がかかりやすい関節です。膝の関節への衝撃を吸収し摩擦を軽減するために膝関節の周囲には「滑液包」という袋があり、内部に少量の滑液という液体を含んでいます。
膝の裏側にも小さい滑液包が複数あり、ベーカー嚢腫とは膝の裏にある滑液包になんらかの原因で液体が溜まってしまい膨らんだ嚢腫のことです。

このベーカー嚢腫自体は悪性ではありません。
症状としては、膝裏の腫れ、違和感、不快感などがあります。
痛みは強くなりにくいですが、腫れが大きくなると、膝を曲げる時に可動域に制限が生じます。
基本的に症状が無ければ治療の必要はありません。
まれに大きくなりすぎたベーカー嚢腫が、圧がかかったときに破裂することがあります。
その場合、ベーカー嚢腫の中にある関節液がふくらはぎの筋肉間に入り込みふくらはぎ全体の腫脹と強い痛みを生じます。
この破裂した時の症状が足の静脈に出来る血栓性静脈炎の痛みに非常に似ていますので、ご心配な場合はご相談にいらしてください。
また、ベーカー嚢腫自体に痛みや腫れが強くなり日常生活に支障をきたすようであれば、注射器で関節液を吸引するという治療がありますので、整形外科にご相談されてみてください。
今回のベーカー嚢腫についての内容を「北戸田ナノ整形外科 院長 加藤先生」にお話を伺ってまとめてみました。加藤先生、ありがとうございます!
北戸田ナノ整形外科クリニック

当院では関連する専門とする医療機関にも紹介できるよう連携をとっています。
院長 橋本千尋
さいたま静脈瘤クリニック
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