皆様こんにちは。さいたま静脈瘤クリニック 院長の橋本です。 足の細かい紫色の血管が気になる、これらの血管はほおっておいても大丈夫なのかしら?これらの細かい血管は何か、また実際の治療方法について説明いたします。
網の目・蜘蛛の巣静脈瘤について
これらの血管は網の目・くもの巣静脈瘤と呼ばれております。人間は年齢と共に皮膚が徐々に薄くなり、皮膚の下の血管が目立ってくる傾向にあります。これらの血管は残念ながら予防方法はなく、徐々に広がっていく可能性はありますが、基本的にはお身体に負担をかけてきません。また、足の血管がボコボコとふくらんで来るタイプの静脈瘤とは成り立ちが違いますのでこれらの血管が時間の経過とともにボコボコと膨れ上がってくるということもありません。足がむくんだり重だるくなったりつったりというような症状も基本的には出てきませんのでほおっておいても全く問題はないのですが、気になるという方には次に治療方法をご説明させていただきます。
細かい血管の治療方法
細かい血管の治療方法には注射の硬化療法という方法とYAGレーザーというレーザーの治療方法があります。まずは硬化療法についてご説明いたします。
硬化療法とは
硬化療法とは硬化剤という特殊なお薬を血管の中に直接注射して、わざと血管に炎症をおこさせて血管を固める治療です。固まった血管は徐々に目立たなくなっていきます。
硬化療法の実際の映像はYou tubeへアップしている動画にあります。血管の中に薬が入っていく様子が見られますのでそちらをご覧ください。
注射後は包帯をまき、その上から医療用の弾性ストッキングを着用し、歩いてすぐに帰れます。
硬化療法のメリットは注射をするだけですのでお身体への負担が非常に少ないということ、また、すぐに歩いて帰れるという点があげられます。
デメリットといたしましては注射した部分がしこりになることがあります。注射した部分に沿って茶色く色素沈着が起きることがあります。これらが消えるのに1年から2年と時間がかかってくることがあります。
実際の治療の前後です。
注射後1週間後のお写真になりますうっすらと茶色くなっているがみえますでしょうか?これが炎症後の色素沈着と言われる皮膚変化です。1年から2年ほどかけて徐々に薄くなっていきます。
YAGレーザーというレーザーによる治療方法
YAGレーザーの光は血管内のヘモグロビンに吸収され、熱によりたんぱく凝固がおき、血管の壁が変性していきます。輪ゴムではじかれたような痛みとよく表現されます。
注射による硬化療法と比べて色素沈着になりにくいという点がメリットとして挙げられます
なかなか一回では薄くならず回数を重ねる必要があるという点がデメリットとして挙げられます。またこちらのYAGレーザーは自費診療になりますのでYAGレーザーを取り扱っている施設と取り扱っていない施設があります。
まとめ
細かい網の目・くもの巣静脈瘤に対する硬化療法及びYAGレーザー治療のお話は以上になります。それぞれの血管に対して適している治療とあまり適さない治療がありますので是非ご担当の先生にご相談されてみてください。