【静脈瘤の治療紹介! 血管内焼灼術編・動画あり】
皆様こんにちは。さいたま静脈瘤クリニック 院長の橋本です。
本日は下肢静脈瘤の治療方法のスタンダードな治療であるカテーテル治療・血管内焼灼術についてご説明いたします。
血管内焼灼術とは?
血管内焼灼術とは、読んで字のごとく、血管内を焼く治療方法のことで、現在の下肢静脈瘤のスタンダードな治療であるカテーテル治療のうちの一つになります。
逆流している血管の中にカテーテルという細い管を入れて、血管を中から焼き固めることによって静脈の逆流を止める治療方法です。
「血管を焼いてしまって大丈夫なの?」とよく皆様に心配されてしまいますが、治療する血管は血液の逆流が起きていて、静脈としての心臓に血液を戻すという機能が正常に働いていないため問題ありません。
治療後の足の血液は他の正常の血管を通って心臓に戻るようになります。
そして焼き固めた静脈は1年から2年ほどかけて徐々に吸収されていきます。
高周波治療とレーザー治療
血管内焼灼術には高周波治療とレーザー治療があります。
高周波治療はラジオ波治療とも呼ばれています。高周波カテーテルの先端に電熱線がまかれていて、この電熱線に高周波の電流を流すことによって血管を内側から焼き固めます。
レーザー治療はレーザー光を血管の内側から照射して血管を中から焼き固めます。
高周波治療とレーザー治療の治療成績は同じです。
血管内焼灼術の流れ
局所麻酔の後に病的血管の中にカテーテルを挿入します。
カテーテルを挿入後、カテーテルと血管の周囲にTLA麻酔という非常に薄い麻酔をします。このTLA麻酔がありますので血管を焼いている時に痛みは感じません。
実際の治療映像はYoutubeへアップしている動画にあります。
アニメーション動画もありますので是非ご覧ください。
焼灼治療後は包帯をまき、その上から医療用の弾性ストッキングを着用し、歩いてすぐに帰れます。
血管内焼灼術のメリットは日帰りで治療が出来るという点、お身体への負担が非常に少ないという点、また、切ったり貼ったりする手術ではないので、血液をサラサラにするお薬を飲んでいても治療が可能であるという点があげられます。
デメリットといたしましては熱で焼くことによる神経障害のリスク、術後弾性ストッキングを着用していただくといった点があげられます。
実際の治療の前後です。
治療後3か月後の写真です。
このように数か月かけて徐々に瘤が目立たなくなっていきます。
術後は下肢静脈瘤が原因であるむくみ、重だるさ、こむら返りが軽減します。
まとめ
下肢静脈瘤の血管内焼灼術のお話は以上になります。
手術を検討されていらっしゃる方、下肢静脈瘤の治療にご興味を持たれていらっしゃる方の参考になりましたら幸いです。
お一人お一人のご病状によって適している治療、あまり適していない治療がありますので、担当の先生にご相談されてみてください。