はじめに
こんにちは。さいたま静脈瘤クリニック 弾性ストッキングコンダクターのナースです。
静脈瘤の術後や予防だけでなく、足のむくみや足の疲労感にも効果的な弾性ストッキング(ソックス)。
とてもいいアイテムなのですが、せっかく買ったのに履けない、続けられない、という方は結構いらっしゃいます。
そこで、そうなってしまう原因と対処法を紹介します。
弾性ストッキングのことでお悩みの方はぜひ参考にしてみてくださいね。
原因&対処法
キツくて履くのが大変
1番多い原因です!
そもそも弾性ストッキングは足に圧をかけるのが目的の靴下なので、普通の靴下よりも締め付けがキツい構造になっています。
初めて履く方はそのキツさ・硬さにびっくりされることも。
履くまでが大変で、続けられないという方は多いです。
対処法①履き方のコツを習得する
当院で購入された方には必ず紹介している履き方があります。
それは、まずストッキングをひっくり返して履くというやり方!
詳しくは動画で説明していますので参考にしてみてくださいね。
対処法②補助具を使用する
弾性ストッキングを履きやすくするためのサポートアイテムはいくつか存在します。
残念ながら当院では販売していませんが、ネット販売などで簡単に購入できます。
検索ワード:『弾性ストッキング 台』『弾性ストッキング 補助具』
こちらも動画で紹介しています。
対処法③ストッキングの種類を変える
医療用弾性ストッキングには弱・中・強の3段階の圧があります。
静脈瘤の方には中圧が推奨となっていますが、どうしてもキツくて履けない時には弱圧に変更することも1つの対処法です。
また、素材やストッキングのメーカー、長さによっても履きやすさは変わってきますので、
自分に合ったソックスを見つけると履けるようになるかもしれません。
当院でも靴下タイプやストッキングのような薄いタイプ、コットン含有の伸びのいいタイプなど、色々使い分けています。
履いていると痛くなる
弾性ストッキングを履いていて痛みや痺れなどの症状がある場合は、継続不可な場合もありますのでまずは医療機関に相談してみましょう。動脈硬化が隠れていたりすると、弾性ストッキングで末梢血流障害が起きることもあります。
こちらもご覧ください。
ご自身でできる対処法としては以下が挙げられます。
対処法①シワを伸ばして履く
ストッキングにシワができると、シワ部分に2倍、3倍と圧がかかるため、痛みが出ることがあります。
シワはできないように履きましょう。
シワを伸ばす方法も動画で説明しています。
対処法②長さを変えてみる
ハイソックスタイプだと膝回りが、ロングソックスタイプだと1番上の滑り止めの所が痛くなることがあります。
違う長さのものを試してみることで改善する場合があります。
対処法③着用時間を短くしてみる
対症療法や予防的に弾性ストッキングを着用する場合、24時間着用する必要はありません。
基本的には日中のみ着用でOKです。
もしくは、立ちっぱなしだったり座りっぱなしだったりする時間だけでも履くと効果的です。
ずっと履いているのが苦痛な方は着用時間を短くしても良いかもしれません。
皮膚がかぶれる・痒い
弾性ストッキングによって足全体がかぶれてしまったり、ストッキングの滑り止めのゴムでかぶれてしまったりする事があります。
対処法①塗り薬を使う
すでにかぶれたり痒みが出てしまった場合、塗り薬を使用します。
保湿剤や抗炎症のクリームでこれ以上ひどくならないように対処します。
対処法②直接肌に触れないようにする
ストッキングの生地や、滑り止めのゴム部分が直接皮膚に触れないようにしましょう。
具体的には・・・
- 市販の薄いストッキング(もしくはタイツ)を履いた後に、弾性ストッキングを履く
- ゴムの下に当て布を使用する
- ガードルやスパッツを使用する
対処法③肌に優しいストッキングを使用する
ストッキングに含まれるナイロン等でかぶれ・痒みが生じている可能性があります。
生地にコットンが含まれているものなど、お肌に優しいタイプのソックスに変更すると改善する可能性があります。
※コットンタイプのは一般的にハイソックスの弱圧しか販売されていません
弾性ストッキングはいつ履けばよいの?
弾性ストッキングは、足が心臓よりも低い位置にある時、日中に着用してください。
夜間は横になり、心臓と足の高さが同じになるため、基本的には着用の必要はありません。
*補足:中にはsedentary syndromeのような方は夜間も弱々圧の弾性ストッキングを着用することによりむくみが改善しやすくなることもありますし、
逆に24時間ずっと着用することによって皮膚トラブルを起こすこともあるので、個人個人の病態によっても異なってきますので、ご心配な方は主治医の先生と相談してください。
最後に
いかがでしたか?
履いていてトラブルがあったり苦痛な症状が多い場合、悪化してもいけないので無理せず一度相談してみてください。
継続可能か検討して、今回の内容のようなアドバイスをさせていただきます。
当院では医師・看護師共に弾性ストッキングコンダクターの資格を取得しております!
埼玉県川口市周辺の方はもちろん、近隣他県からも患者さんがいらっしゃっております。
お気軽にご相談ください。