こんにちは。院長の橋本です。
【医療用接着剤による治療とは?】
今日は、先日のブログの「静脈瘤の歴史」にも少しお出ししたVena Sealという医療用接着剤による血管内治療についてご説明いたします。
血管内接着剤治療は2019年12月に保険適用になった治療法で、下肢静脈専用に開発された医療用接着剤をカテーテルで治療する血管に注入して血管を閉塞する方法です。
今までの主流であった血管内焼灼術と基本的な治療の考え方は一緒で、手技も血管の中にカテーテルを入れるというところまでは一緒で、逆流している原因血管を医療用接着剤で固めて逆流を止めます。

【良い点・悪い点】
熱によって血管をふさぐ血管内焼灼治療と比べて、熱を伴わない血管内接着剤治療は、やけどや神経障害など周囲組織への影響や痛みが少ないといった低侵襲性が大きな特徴です。
また、血管内焼灼治療では熱による痛みや合併症に対する対策として必須であったTLA麻酔[i]が不要になるため、針を刺す回数が減り、麻酔浸潤時の痛みや術後圧迫の必要性も低減されます。ただし、血管内にグルー(医療用接着剤)を注入するので、グルーに対するアレルギーやアレルギー体質の方は治療を受けられない場合があります。
[i] TLA麻酔とはTumescent Local Anesthesia(低濃度大量浸潤麻酔)の略。低濃度に希釈した局所麻酔薬のことです。血管内焼灼治療では、痛みの軽減や焼灼による熱から周辺組織を守るために、治療する血管の周囲に注入します。
【アレルギー反応とは?】
まれに医療用接着剤に対するアレルギー反応が起こる患者さんがいらっしゃいます。
血管に沿って赤くかゆくなります。

このような反応が出てしまった場合は、通常、ステロイドで加療いたします。
【まとめ】
医療用接着剤による手術は、手術の際の針を刺す回数が減るので、接着剤に対するアレルギーが起きなければ、患者さんにとって非常に負担の軽い良い治療になります。
また、当クリニックは2023年6月に大変光栄なことに、埼玉県では二番目の医療機関である、「グルー治療100例達成」の証の盾をMedtronic社から頂きました。(その後も順調に症例数は増加しています)

グルー治療(医療用接着剤による血管内塞栓術)を数多く経験している数少ない医療機関の一つになりますので、埼玉県以外からも多くの患者さんにいらしていただいております。
他県からの患者さんは全体の13%になりますので、埼玉県以外の方もお気軽にご相談にいらしてください!
以下のようなHPもありますのでご興味のある方は一度ご覧ください。
知ってください下肢静脈瘤のこと (think-vein.jp)
院長 橋本千尋
電話:048-229-5056
予約フォーム:https://medical.apokul.jp/web/223/reservations/add

