皆様こんにちは。
さいたま静脈瘤クリニック 院長の橋本です。
ふと足を見たら、足の血管が青っぽく浮き出ていたり、細かい赤紫色の血管がくもの巣のように見えたりして、病気かどうか気になるという質問をよくお受けします。
今回は足の血管が見える原因から病気の症例まで詳しく解説します。
目次
足の血管が見える病気とは?
足の血管が見える病気の名前は下肢静脈瘤と言います。
足の細かい血管が網の目状・くもの巣状に広がってくるタイプとふくらはぎや太腿の血管がボコボコと病的に膨らんで瘤になるタイプがあります。ボコボコと膨らんできてしまうタイプの下肢静脈瘤は、血液を心臓に戻す役割を持つ静脈についている逆流防止弁が壊れてしまうことが原因で、戻った血液が血管に停滞し、血管がふくらみます。
しかし、人間は年と共に皮膚が薄くなり、皮膚の張りが落ちてくることによって血管が目立ってくる傾向にあるため、下肢静脈瘤でなくても足の血管が見えることがあるのを覚えておきましょう。
下肢静脈瘤の原因
ボコボコと膨らむタイプの下肢静脈瘤の原因は次の通りです。
・立ち仕事やデスクワーク
・激しいスポーツ
・肥満
・加齢
・遺伝
・女性の場合妊娠や出産
足の静脈弁への負荷が中長期的に続く環境にあると、下肢静脈瘤が引き起こされやすいと言えるでしょう。
足の血管が浮き出る症例
足の血管が浮き出ると一口に言っても、先ほどご紹介した通り加齢が原因で正常な血管である場合もあるため、画像でどのような状態であれば下肢静脈瘤と診断される可能性があるのかを見ていきましょう。
血管が青く浮き出る症例
この画像では青い血管が目立つ状態ではあるものの、足において血液の逆流が見られないため下肢静脈瘤ではなく正常の血管だと言えます。
このような場合治療の必要はありません。
女性に悩みの多い、血管が網の目やクモの巣状に見える症例 「毛細血管が見えてるんです!」
左側の画像は血管が網の目のように見え、右側の画像は血管がクモの巣状に見えます。
よく、「毛細血管が見えるんです」とご相談をいただきますが、実はこれは正確には毛細血管ではありません。
(毛細血管は髪の毛の20分の1くらいの太さなので肉眼では見えません)
毛細血管では無いのですが、皮膚の下の血管が見えている状態です。
女性ホルモンの影響で血管が目立ちやすかったり、お肌の色や薄さで血管が目立ちやすかったりと、女性でこのタイプの血管で悩まれる方が多いです。
左側は下肢静脈瘤の種類の1つである網目状静脈瘤、右側はクモの巣状静脈瘤ですが、これらの下肢静脈瘤単体ではむくみ、こむら返りなどの原因にはならず、瘤などへの変化も見られません。
そのため受診しても治療しなくても良いと判断されるか、治療するとしても硬化療法(静脈瘤を起こしている血管の中に硬化剤を注射して血管の内側の壁を癒着させる治療方法)やYAGレーザーを使った治療が行われることが多いでしょう。
「見栄えが悪い」と気になる方、当クリニックではこれらの下肢静脈瘤の治療も行っておりますので、気になる方はご相談ください。
ボコボコ血管が浮き出る症例
左右の画像とも足の静脈血液が逆流して血管に血液がたまり、足の血管がボコボコ浮き出る状態となっています。
この状態を静脈怒張と呼び、初期症状では血管がわずかに浮き出る程度ですが、進行すると上記の画像のような見た目となり、足のむくみや重だるさ、つりやすさの原因にもなってきます。
下肢静脈瘤は進行が緩やで、良性の疾患なので、治療をあせる必要はありません。
しかし3つの画像を比較してみてわかる通り、足の血管が浮き出るということだけでは下肢静脈瘤なのかどうかの判断が難しいこともありますので、心配な方は一度専門医へと受診し、現在の状態を相談されてみてはいかがでしょうか?
さいたま静脈瘤クリニックにおいては、検査はお身体への負担の少ないエコーで行うことができ、正常か病的な血管なのかがその日のうちにわかります。
一度しっかりと検査し、下肢静脈瘤かどうかの結果を知りたい方は、ぜひ当クリニックにご相談ください。